桑の葉の青汁がカルシウム豊富って本当か検証してみた

ライフスタイル
この記事は約3分で読めます。

「桑の葉の青汁は、カルシウムが牛乳の24倍」。健康食品の説明でよく見かける一文です。管理栄養士として働きながら、自分自身も20代の野菜嫌いを青汁で立て直してきた森川と申します。この「24倍」という数字、見かけるたびに本当かなと引っかかっていました。

そこで今回、公的なデータと製品データを並べて、管理栄養士の目で確かめてみます。結論から言うと、数字としては本当でした。ただし鵜呑みにすると損をするポイントが2つあります。

結論:「牛乳の約24倍」は数字としては本当

まず含有量を比べます。桑の葉の乾燥粉末は100gあたりカルシウム約2,699mg、いっぽう普通牛乳は100gあたり110mgです。割り算すると約24.5倍。たしかに「24倍」はおおむね正しい数字でした。

ほかの青汁原料や身近な野菜と並べると、桑の葉の多さがよく分かります。

食品(100gあたり)カルシウム量
桑の葉粉末約2,699mg
小松菜約170mg
牛乳110mg
ほうれん草約49mg

植物の中でもトップクラスの含有量。これは素直にすごい数字です。

ただし「青汁1杯で牛乳24杯分」ではありません

ここで1つ目の落とし穴です。さきほどの比較は、どちらも「100gあたり」の値でした。でも、桑の葉の粉末を一度に100gも飲む人はいません。青汁1杯に使う粉末は、多くても3g前後です。

実際に1杯ずつで計算してみます。

  • 桑の葉の青汁1杯(粉末3g):カルシウム約81mg
  • 牛乳コップ1杯(200ml):カルシウム227mg

1杯どうしで比べると、むしろ牛乳のほうが多いんです。「100gあたり24倍」と「1杯で24杯分」はまったく別の話。ここを混同すると、青汁さえ飲めば牛乳はいらない、と勘違いしてしまいます。

管理栄養士が必ず見る「吸収率」

2つ目の落とし穴が吸収率です。カルシウムは、口にした量がそのまま体に入るわけではありません。食品によって吸収のされやすさが大きく違います。

一般社団法人Jミルクの解説によると、カルシウムの吸収率は牛乳が39.8%、小魚が32.9%、野菜が19.2%です。植物性のカルシウムは、シュウ酸やフィチン酸といった成分の影響で、どうしても吸収率が低くなりがちです。

さきほどの桑の葉粉末3g(約81mg)から実際に吸収されるのは15mgほど。牛乳1杯(227mg)なら約90mg吸収される計算です。含有量の倍率だけを見ていると、この差は見えてきません。

それでも桑の葉が青汁の原料として優秀な理由

ここまで読むと桑の葉をけなしているようですが、私の評価はその逆です。桑の葉はとても優秀な原料だと思っています。

  • 植物の中ではカルシウム含有量がずば抜けて多い
  • 鉄が100gあたり約44mgと、女性に不足しがちなミネラルも豊富
  • 食物繊維やカリウムもバランスよく含む

公益財団法人長寿科学振興財団の健康長寿ネットによると、日本人のカルシウム摂取量は1日平均504.9mgで、推奨量(成人女性で650mg)に届いていません。慢性的に足りていないのです。この不足分を食事全体で底上げしたいとき、少量で栄養が詰まった桑の葉は心強い味方になります。

青汁は牛乳の代わりにはなりません。野菜不足を補う一員、という距離感がちょうどいいんです。そして青汁は原料によって含まれる栄養がずいぶん変わります。大麦若葉やケール、明日葉との違いを整理した青汁の原料ごとの特徴をまとめたページに目を通しておくと、自分に足りない栄養から一本を選びやすくなります。

まとめ

「桑の葉の青汁はカルシウムが牛乳の24倍」は、乾燥粉末100gあたりで比べれば本当の数字でした。ただし青汁1杯に使う量はごくわずかで、植物性カルシウムは吸収率も高くありません。牛乳をそのまま置き換えられるわけではない、ということだけは覚えておいてください。

それでも桑の葉が優秀な原料であることは変わりません。カルシウムも鉄も食物繊維も、少量にぎゅっと詰まっています。野菜が足りていないなと感じる日の補助として、気軽に取り入れてみてください。

タイトルとURLをコピーしました